第四.五章「Q&A」
「えっと、気分はどうかな?」
「気分? 元気だよ」
「そっか。じゃあ、今日も質問に答えてくれるかな?」
「うん。いつもと一緒だね」
「そうだね。……まず、お名前教えてくれるかな?」
「また? いつも聞くんだね?」
「そうだよ。今日も名前教えてほしいな」
「ボクはジュンだよ」
「ジュン君だね。名字は分かるかな?」
「ミョウジ?」
「上の名前の事だよ。僕、深山浩なら、深山の部分」
「おじさん。ミヤマって言うの?」
「そうだよ。ジュン君、君の名前を全部教えてくれるかな?」
「え〜っとね。彼はユズヤマって言ってたよ」
「柚山潤、でいいのかい?」
「そうだと思う」
「ジュン君は、どうしてここにいるか知っているかな?」
「……知らない」
「ここがどこか知ってるかい?」
「私、知らない」
「今日が何月何日だか分かるかな?」
「そんな事どうでもいいじゃん。もっと楽しいことしようぜ」
「……質問には答えてくれないのかな?」
「答えて欲しけりゃ、それ相応のもんを出しやがれ!」
「はぁ、今日はご機嫌がよくないみたいだね」
「そうかな? 普通だよ」
「なら、質問に答えてくれるかな?」
「そんな事より深山。塩酸デュロキセチンの処方が多いようだが、何か問題でも?」